中国のお正月 その2

中国のお正月 その2

投稿日:2025年02月27日 カテゴリー:雑談
ID:91593 投稿者:開発課

「大家好(ダージャーハオ)」

中国工場駐在中のシャンティエンです。

前回に引き続き、中国の旧正月(春節)についてご紹介します。

 

中国において赤や黄は慶事や幸福を象徴する縁起の良い色です。

旧正月期間中は、街全体が赤と黄の装飾で彩られ、特に夜になると赤い提灯「灯籠(タンロン)」が灯り、幻想的な美しさを放ちます。氷点下の寒さに雪が舞う中でも、この明かりが心温まる雰囲気を作り出しています。

 

今回はそんな夜の「所城里(スオチェンリ)」を訪れてみました。

 

                   

 

                 

膠東半島の伝統が色濃く残るこのエリアは、歴史的建築物が保存され、かつて煙台市の中心地として栄えたことから、現在は歴史文化地区に指定されています。普段から屋台が立ち並び、古建築を活用した商業施設が夜間営業していますが、旧正月シーズンは赤い提灯の灯りが、町並みにさらなる趣を添え、古き良き中国の風景がより一層際立ちます。

ここで少し本業の建築のお話を。ここ「所城里」は、伝統的な中国の建築構造「磚木結構(せんもくこうぞう)」の建物が保存されています。主な構造材は木材、その他建材は煉瓦(レンガ)や瓦になります。柱、梁桁、屋根組などは木材を使用し、耐震性と耐久性を工夫した軸組み工法となっています。外壁や塀は青煉瓦や石積みで構築され、耐火と断熱・防音効果も兼ねています。屋根は瓦葺きです。日本と共通する部分もあり大変興味深く、中国の建築も勉強していけたらと思っています。

 

続いて「福」についてのお話です。

日本の正月飾りといえばしめ縄や鏡餅が一般的ですが、中国では「福」の文字を掲げるのが最もポピュラーな習俗です。これは「福(幸せ)を家に招き入れたい」という願いを目に見える形にしたものだそうです。

また、日本でも中華料理店などで「福」の字が逆さに飾られているのを見かけたことはありませんか?これは「倒福(ダオフー)」と呼ばれる縁起物で、一見不吉に思える逆さまのデザインには深い理由があります。

この話は結構有名な話なので、知っている人も多いかもしれません。

中国語で「倒福(福が逆さま)」と「到福(福が到来する)」はどちらも「ダオフー」と発音します。この言葉遊びから、「逆さ福=福がやって来る」という縁起担ぎが生まれたという説が有力です。ただこの「倒福」は地域差もあるようで、私の住む煙台ではあまり見かけません。

   

このように、中国人はシャレ好きで遊び心があるようです。もう一つ、言葉遊びから習慣化したものを紹介します。

日本の年越しそばのように食べられるものに、餃子があります。午後11時から午前1時までを指す「子の刻」は新旧の年が交わる時間「交子(ジャオズー)」と呼ばれ、これが「餃子(ジャオズ)」と発音が似ていることから、春節に餃子を食べると縁起が良いとされるようになったそうです。

こういった言葉遊びからはじまった文化は、まだまだたくさんあるようなので、調べてみると面白いかもしれません。

最後は、干支のお話です。

干支は、中国が発祥ですが、日本との違いがあります。「亥」は日本ではイノシシですが、中国ではブタになります。知っていましたか?

もともと、イノシシとブタは生物学的に大きな違いはなく、ブタはイノシシを家畜化させた生き物だと言われています。中国では古くからブタを 家畜としていて、イノシシとはっきり分けていたようですが、干支が伝わったころの日本はまだブタを家畜とする文化がなかった時代のようで、これが干支が違う理由の一説と言われています。

そして「猪」という漢字は日本でイノシシですが中国ではブタを意味し、中国のスーパーで「豚肉」の表記は「猪肉」となります。

面白いですよね。

 

旧正月の飾り付けは、切り絵や年画、対聯(ついれん)など、日本ではあまり見られないものがたくさんあります。これらの興味深いお話は、また来年の旧正月にでも。

 

開発課加工場 山田(シャンティエン)

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