樹種のご紹介　樹種名：レッドウッド

■学名
Sequoia sempervirens（セコイア・センペルビレンズ）
■分布・産地
米国の太平洋岸のオレゴン州からカリフォルニア州中部にかけて分布する。
■木材
心材と辺材の色の差は明らかである。心材は桃色から濃赤褐色で、大気にさらされると黒ずんでくる。辺材は淡色。造林木からの木材の年輪は幅が広く、早材と晩材の差が明らかである。天然の老齢木からの木材の年輪は、非常に狭くなっている。木理は通直で肌目はやや粗い。心材の耐久性は非常に高く、また白蟻に抵抗性がある。加工はしやすい。乾燥は難しくない。
■用途
高い耐久性が必要とされる個所。

レッドウッドの種類は現在3種類が確認されています。

* コースト・レッドウッド（セコイア・センベルビレンズ）・・・北カリフォルニア沿岸に自生
* シエラ・レッドウッド（セコイア・デンドロンジャイガンテリア）・・・カリフォルニア・シエラネバダ地方に自生
* ダウン・レッドウッド（メタセコイア・グリトストロボイドス）・・・中国に自生

その中で、コーストレッドウッドがレッドウッドの木材として使われており、木材としてのレッドウッドの性質はこのコースト・レッドウッドのものを指しています。

■卓越した耐久性
その心材部に含まれている特有の抽出物（タンニン）は、日本でも古来から寺院などで腐食や白蟻から守る為に使われている柿渋と同じ成分で、卓越した耐久性を誇っています。元来心材部にタンニンが含有されており、ノコギリの切り口や釘穴など、露出した部分においても一切の防腐・防虫処理をせずに外部でご使用頂けます。

■高い環境性
無処理で使え、軽い材の為、土壌汚染や運送における環境負担も少なく、環境に優しい素材です。製材用の木は製材所が所有する私有地内で伐採が継続され、その面積はレッドウッドの森の面積の僅か2.5％。その他の地域では厳格に保護されています。私有地であっても伐採後には伐採量を上回る植林を州政府のより義務付けられています。

■高い安全性
心材部に含まれているタンニンは、私たちが日常飲んでいるお茶や柿の実などにも含まれている天然成分で、殺菌作用と腐食を防ぐ性質があります。その優れた耐久性は従来の木の概念を遥かに越えるもので、薬剤（防腐剤）を使用する必要が無く、人体や住環境への心配がありません。無処理で使用される他の木材の中には皮膚炎・喘息を引きおこす樹種がありますが、カリフォルニア・レッドウッドにはその心配がありませんので、安心して使用頂けます。

■極めて高い安定性
完全人工乾燥されたクリアー・オール・ハートにおいては、収縮に起因するゆがみ、亀裂、反りの心配はほとんどありません。そのため寸分の狂いも許されない精度の高い加工が可能です。そして、グリーン材（未乾燥材）でも針葉樹の中では、最も少ない収縮性を持ち、長年にわたって美しい形状と安定性を保ちます。

■高い施工・加工性
ノコギリで切ったり、くり抜いたり、釘を打ったりなどの加工性に優れ、まっすぐな木目と自然の安定性を備えているため、精密さが要求される細部にも使用することができます。さらに接着性、塗料の保持能力においても優れ、重量自体も軽く、施工・加工性が極めて高い素材です。

■優れた難燃性
レッドウッドは揮発性のヤニや油を殆ど含んでいない為に天然素材としては高い難燃性を持っています。比較的発火しにくく、一旦火がついてもゆっくり燃え、次第に弱まって行くという特性を持っています。歴史的に見ても1906年に起きたサンフランシスコ大地震では、カリフォルニア・レッドウッドによって建てられた建造物群の火災は限られた範囲で、他地域への延焼を防いでいます。アメリカでは無処理でありながらその難燃性が認識されています。現在、サンフランシスコでは屋上で使うことの許される唯一のデッキ材になっています。

■やさしい歩行性
広葉樹はヒビや反りによって板目のエッジが起き上がり、鋭い突起物が発生します。広葉樹は硬いためこの突起物はナイフのように鋭く転倒などのケースを想定した場合非常に危険です。しかしながら、レッドウッドは耐久性があり、殆ど腐れの心配がなく、その上柔らかい木であるために足膝にやさしく、安全性を最も必要とするお子様やお年寄りに向いた優しい素材となっています。一般家庭はもちろん公園・幼稚園・保育園・病院・老健施設などに数多くの施工例を実現しています。